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8. コロナショックを考える 就活編

 

 【前回記事】

wasureyasui-name.hatenablog.com

 

緊急事態宣言が解除されたものの、コロナウィルス感染の第二波が来始めたと騒がれており、まだまだ油断が許されない状況である。

 

さて、今回のコロナショックが与えた影響は、政治からはじまり、多数の経済を苦境に陥れただろうが、その一つとして就活市場が挙げられる。

 

概要

リーマンショックの収束後、徐々に景気はよくなり、売り手市場となっていた。すなわち、企業の求人数よりも就職希望の学生の人数の方が多く、就職する側の学生が選択肢が多く有利になっていた。

これが、コロナショックにより企業は大きな経営難に陥った。この苦境を乗り越える=会社を維持していくために、企業はお金をかせぐ必要がある。

お金をかせぐには単純に、①収益を増やす、②損失を抑える 必要がある。

 

しかし今はどこも不況、①は望み薄である。そこで②損失を抑えることが対策して取られることは言うまでもない。次に損失の内訳になるが、大きな出費であるのが人件費である。これを大きく削減する方法として、元から雇用している人数を減らすことと新たに雇用する人数を減らせば良い。

とは言ってもいきなり雇用している従業員を切ることはできない。なので新たに雇用する人数を削減する方向に企業は姿勢を向けるのは明らかだ。

 

 

こうして売り手市場は一転、買い手市場になったのだ。企業は自社の戦力になり得る人材を選定する。とにかく優秀な人材を絞り込み求めるので、選考にあふれるものが増えていく。この就職難に当たる世代はリーマン世代に続いて、コロナ世代と呼ばれるようになるだろう。

 

具体的にどうなるのか

そもそもの採用人数を減らすことはもちろんだが、どんな人材を企業が求めるかを考えるとわかりやすい。つまり、企業的にコスパが良い人材である。

 

当然だが、同じ大学生を採るのであれば優秀な人材を選ぶだろう。人一人を1から教育するだけでも多額のお金かかるので即戦力を求める。そのため修士→博士と年齢が上がるにつれ必要なお金が大きくなるので選考はより慎重なものとなる。

 

結果としては、全体的な採用人数の減少を前提として、比較的教育コストが少ない高卒・高専生・大学生の採用(つまり一般職)は現状維持、一方、総合職はかなり絞られてくるだろう。とくに修士は非常に優秀な層を狙うが、博士はほんの一握り、企業の研究と非常に近い研究を行っていたエキスパートか、分野外の人でも2,3年で一流になれそうな人材を求めるだろう。

 

 

なにをすべきか

ここで書いているのは、とくに理系大学院生向けであるが、重要なのはビジネス視点を持つことである。大学院生の就職活動に関してはまたの機会に書くつもりだが、時期や具体的な行動を起こすタイミングを捉えることが非常に難しい。大学院ともなると自分の研究も普通は忙しくなる。

 

そんな中でビジネス視点を養うことは難しい。まずビジネス視点とは何かといえば、ビジネス的に考える視点である。ビジネス的、つまり企業の視点で物事を考えなければならない。なぜ企業は、その経営理念を掲げているのか、どういう事業部が何のために存在し、どのような相手と取引しているのかを把握する、といった視点を持つことである。それを踏まえて、ビジネススキル、端的に言って「業務遂行能力」「人間関係能力」が高い人材であることをアピールできなければならない。こういうスキルは一朝一夕では身につかないだろう。(正直自分もそこまで完璧ではなかったように思う)

 

そのスキルを磨く術としてもっとも手っ取り早いのが自分の研究のビジネスモデル化だと思う。もちろんアカデミックでの研究と企業の研究開発が直結しているわけではないし、基礎研究的なことをやっていると、全くお金にならないようなことをやっているために思う。

 

しかし、自分の研究が何のためにやっていて、どういう層が対象で、どのような工夫があって、どのような利益をもたらすかを具体的に考え、抽象的にわかりやすく説明できなければならない。これは言い換えると、企業が何のために存在して(=経営理念・事業部の存在理由)、どういう層が取引相手で、どのような企業独自の技術や長所があって、企業自身や取引相手、世界にどのような利益をもたらすかという、ビジネスそのものになるからだ。

 

 

あくまでも自分が重要だと思っていることだが、この視点は就職してからも役に立つと思っているので忘れないように考え続けたい。

7. 学振の研究遂行経費は申請するべき 大学院生に知ってもらいたいお金の仕組み2

 【前回の記事】

wasureyasui-name.hatenablog.com

 

今回は保険料と税金について学んでいく。

 

保険料

まず、社会保険が何かを知っておく必要がある。つまり「健康保険」と「年金」だ。

学振に採択された場合、基本的には独立生計者*1となる。この場合、国民健康保険」と「国民年金保険」に加入し、保険料を自分で払う必要がある。これが会社員になると、それぞれ社会保険」と「厚生年金保険」となり、会社の給料から天引き(差し引き)される。

 

国民健康保険の計算方法

国民健康保険は<医療分>と<支援金分>そして<介護分>の保険料の総和となる。このうち<介護分は>40-65歳が対象となるので、学生には関係がない。

さらにこれらの区分の中に所得割、均等割、平等割がある。

  • 所得割:前年1-12月の所得に応じて定まる 
  • 均等割:加入者人数分にかかる定額
  • 平等割:1世帯当たりににかかる定額

とくに所得割は、賦課標準をもとに算出され、

(前年1-12月の所得) – 基礎控除*2

であり、そこに<医療分>と<支援分>それぞれの税率が掛けられる。

ただし、この税率や定額は市町村によって異なり、平等割がない自治体もあるので自分の自治体の国民健康保険の計算方法を確認してほしい。ここでは、ググって出てきた、東大阪市のケースで計算する。https://www.city.higashiosaka.lg.jp/0000001709.html

では、実際に、給与所得160万円のA君と、研究遂行経費申請を行った給与所得100.8万円のB君で計算してみよう。

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なんと、B君の方が6.5万円も保険料が安くなった!

このように、給与所得の差異は「所得割」に反映され、保険料が大幅に変わるのだ。

 

20歳を超えると、年金を納めるようになる。学振採用者のように雇用関係にない者は「国民年金保険」を支払う。なお、「学生納付特例制度」が設けられているため学生は、この納付が学生の間は後回しにすることができる。しかし条件として、本人の所得が一定以下*3である必要があるため、学振採用者は年金を修めなければならない!

国民年金保険料は定額で、16,540円(月額)*4なので年間、

1.6540万円*12 = 19.85万円

である。

 

所得税は、課税所得金額に対応する税率を掛けた値から税額控除額を差し引いた金額となる。課税所得金額は

課税所得金額 = 給与所得 – 各種控除

で求められる、各種控除には基礎控除(38万円)の他、社会保険料などがある。他にも扶養家族控除もあるが一般的な学振採択者(独身、生命保険に加入してない[親が加入など])では社会保険料控除のみを考えれば良い。

次にかけられる税率だが、課税所得金額が195万円以下の場合5%となる。したがって、

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結果として、B君の方が3.6万円も安くなる!

 

住民税

住民税は所得割と均等割の和であり、所得割は課税所得金額 に税率を掛けた金額となる。その税率は、市民税分と県民税分があり、合計10%が基本となる。*5

均等割は定額であり、市町村によって異なるが、およそ5千円程度である。

 

課税所得金額は所得税の場合と同様に

課税所得金額 = 給与所得 – 各種控除

で算出され、基礎控除は33万円となる。したがって、

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結果として、B君の方が4.2万円も安くなる!

 

以上を合わせると、B君はA君に比べておよそ14万円も得することになるのだ。

とくに給与の少ない学生にとっては大きな額となる。

 

最後に

今回は研究遂行経費を申請した場合について述べたが、72万円をすべて研究遂行経費として使い切った場合である。

 

*1:になった方が、授業料免除などの観点からお得

*2:保険料にも税金にもかかる、全員に一律で考慮される基準

*3:118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等

*4:令和2年4月~令和3年3月分

*5:例外があり、例えば神奈川県は県民税が0.025%高いく、名古屋市は市民税が0.3%低い

6. 学振の研究遂行経費は申請するべき 大学院生に知ってもらいたいお金の仕組み1

対象で無い方にも理解していただけるよう、なるべく噛み砕いて書いていきます。

 

日本には国の学術振興を促すために学術振興会という組織が存在する。

これに応募し晴れて採用することで、特別研究員という扱いになり、(なぜか直接的な雇用関係は無いのだが)国の研究員として働くことができる。

対象は次年度に博士課程1年生(D1)となる学生、つまり4年制大学の修士課程2年生(M2)から、博士取得後数年以内の若い研究者である。

この学振の採択率は、分野にもよるがおよそ25%程度の選ばれた者であり、博士課程で採択される(DC1あるいはDC2とよばれる分類への採択)ことは、今後の研究者人生を左右するくらいに重要となる、まさに研究者の登竜門と言っても過言でないだろう。

 

そして、なによりも国の研究員として働き、(国民の皆様の血税から出た)給料をもらうことができる。(のに直接的な雇用関係にない!)

そのくせにTAとか覗いて副業禁止とか税務署の人が呆れるくらいにはグレーすれすれなんですよね。。。

 

これは、後に返還が要る奨学金を借りざる得ない学生や、研究が忙しくバイトしている余裕がない学生には大きな手助けとなる。*1

 

その給料は、博士課程学生対象の分類(DC1, DC2)で月額20万円である。

で、基本的には初めてちゃんとした大きなお金を貰っていくことになるので、いくつか疑問が生じる。そんな方に是非知っていただきたいと思いこのエントリーを書いた。

博士を志している大学院生の方には知ってもらいたいお金の話だ。

 

研究遂行経費

まず、研究遂行経費の申請である。これは、「給料20万円のうちの30%、6万円を研究のために使いますよー」と申請することで、それを非課税対象にできる。

つまり、6万円×12ヶ月=72万円が非課税となる。

ここでは申請をしなかったA君と研究遂行経費申請をしたB君の2パターンを考えてみよう。

A君はそのまま20万円×12ヶ月=240万円が年収となり、B君は240–72=168万円が年収となる。

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何が変わってくるのか

見た感じはB君の方が低い年収と思われるが、年収が変わるだけではなく保険料と税が大きく変わってくる。学生に知ってもらいたいが、自分の手元に実際に入ってくるお金を税からどれだけ守れるかが重要である。

では、研究遂行経費を申請しない(A君)と、した(B君)とでどのように違うのか。

まず、結果を述べると、①保険料が安くなる。 ②所得税・住民税が安くなる。これを合わせるとトータルで年間およそ14万円もB君が得することがわかった。

実際にモデルケースで紹介する。

A君もB君もDC1で採択され、年金を自分で払っている、生命保険には自分で加入していない

 というシンプルケースを設定した。

まず保険料や税は、昨年の1月~12月の給料を基に計算される。そのため、この金額が合致するのは、1月~12月まで学振給与をもらい続けた人が、来年度に支払う保険料や税を指していることを注意してほしい。

この場合だとDC1の人がD3の時に払うお金のことであり、DC2の人は社会人1年目(ポスドク1年目)であることから国民健康保険社会保険となり、国民年金は厚生年金となることに留意されたい。

 

給与所得

実際に税や保険料を計算するにあたって給与所得を用いる。

(ここでは額面の値を年収、実際の控除後額を給与所得と呼ぶことにする。)

例えば会社の給料には、文具やスーツ代のような経費も含まれている。なので、本当の賃金だけに税金がかからなければフェアではないので、経費を差っ引くというイメージだ。この経費が控除額、つまり、除外してあげるお金である。

それは、給与所得控除額と呼ばれ、A君とB君(年収180万円以下)で計算方法が異なる。

(令和2年度分の年収から計算方法が変わるので注意、ここでは令和元年までの計算方法)

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令和2年度からの指標も合わせて記載する。もし下限の値よりも少なくなる場合は、その下限値(65万)が給与所得控除額に適用される。

 

給与所得 = 年収 – 給与所得控除額

で求められ、A君は150万円、B君は100.8万円である。

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ちょっと長くなってきたので続きは次回にする。

次回は保険と税の計算についてまとめる。

 

 

 

*1:個人的にはせめて博士学生は平日は研究に専念した方が良いと思っている

5. ひたすら歩く コロナによる運動不足解消

 

緊急事態宣言は解消されたが、長期に渡る自宅勤務などで運動不足になっている方は多いだろう。

とはいっても、毎日一定量の運動を続けることは難しい。

 

 

 

そこでモチベーション維持としてスマホの万歩計アプリを活用している。

運動量が増えるわけではないが、1日の運動量を可視化することに大きな意味がある。

基本的にはスマホにデフォルトアプリとして搭載されている。自分はAndroidのGALAXYだがS Healthというアプリがそれである。

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起動すると、勝手にバックグラウンドで計測してくれる。

常にポケットに入れて歩いた今日の結果が下の画像だ。

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総歩数や消費カロリーだけでなく、どの時間にどれだけ歩いたかがよく分かる。

 

 

週あるいは月単位での表示も可能だ。

ゴールデンウィーク中は本当に動いてない。

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iPhoneにある万歩計アプリも同様の機能を持っている。

歩数のカウントがグラフで可視化されるのは面白いので、運動不足解消にぜひ。

 

 

 

効率化を狙ってスマホから投稿してみたけど、装飾大変だなー。

 

4. アビガンの作用を学ぶ 新型コロナウィルス治療薬

アビガンとは?

新型コロナウィルスに対する有効な治療薬としてアビガンの承認がおりるかどうかが話題となっている。

そもそも、なぜウィルスが人体に影響を及ぼすのか、アビガンほか、ウィルス治療薬がどう作用するのかを素人なりに学んでみた。

 

アビガンの化学式は以下の通り

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市販の薬品から10段階くらいで合成可能
これがどう作用するかの前に、RNA合成について学んだ。下記に概略図を示す。

 

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RNAは[リン酸–糖(リボース)–塩基]で構成される。塩基はそれぞれ構造が異なり名前がある(A:アデニン, G: グアニンなど・・・)

人間のRNA(ヒトRNA)はどんどん複製され増えていく、外から危害がなければ何も問題はない。しかし、ウィルスが侵入すると悪さをする。

コロナウィルスがそのまま増殖してるわけではなく、ウィルス内のRNAがヒトRNAに進入し(間違って取り込まれる)増殖していく。こうして増えたウィルスを排除しようと熱や咳が出る。

なぜアビガンが作用するか

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上図の通り、アビガンが体内に取り込まれるとリボースと結合する。その構造は、AICRAと類似しており、RNAの複製過程で誤って取り込まれる。

結果、アデノシンやグアノシンと同様にRNAに取り込まれてしまい、RNAの伸長は停止する。

生物学んでこなかったからむずかしい・・・

 

 

あくまでも素人の付け焼き刃なので、間違っているところもあります。

RNAの転写とかすごくざっくばらんに書いたので。

 

 

しかし、6員環と5員環も見分けられないので、人体も結構適当だなあと思う。 

 

3. コロナショックを(簡単に)考える 

コロナウィルスがもたらしたものは何か

 

メリット

・ウィルスをはじめとする感染症を常に意識した行動をとるようになった

緊急自体宣言が解除されてもなお、ほとんどの人がマスクを着用を続け、手洗いなどによる除菌・殺菌を意識している。

食堂や公共施設は「密」を避ける配置となっている。

これはコロナウィルスだけでなく、多くの感染症に対して効果が覿面だったようだ。

 

かういう自分も重度の花粉症だが、今年は症状がほとんど出なかった。

花粉症で集中力が大幅に削がれるからね・・・

 

 ・オンライン業務の推奨

企業もコロナ蔓延に対して対策を講じなければならなくなった。時間差あるいは交代制への勤務体系シフトや、リモートワークにスイッチングせざるを得なくなっている。

これによって在宅勤務が可能となり、通勤時間が大幅に減ったことや、今まで多くの時間を浪費していた会議にそれほど時間を割かれなくなったことは大きいと思う。


 

 

 

書類提出とか今だに残るはんこ文化もオンライン化がもう少し進めばよいのだけどね。。。

 

 

デメリット

・経済への深刻な打撃

いうまでもなく日本、世界の経済市場は縮小した。

日経平均を例に挙げると、2月頭に24,000円程度だったものが、下限16,500円程度まで減少した。人々の消費活動は自粛ムードが漂い、備蓄を増やす傾向が高まった様に思える。

この経済悪化による影響(例:株・就活など)はまたの機会に考えたい。

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・人と接する機会の減少

SNSやオンライン飲み会などで人との繋がりは保てるものの、人と人の直接的なコミュニケーションがもたらす利益は大きいと思う。けど、具体的な事案が思い浮かばなかった。

 

と、パッと4つメリット/デメリットが浮かんだけど他に何があるかなー?

 もう少し、揚げた本を読んで、コロナショックを掘り下げて学んでみようと思う。